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委員会の今後の方向

シルクロード観光促進委員会は、シルクロード地域における観光資源を有効かつ持続的に活用した観光を促進することを目的として、(財)アジア太平洋観光交流センターの実施する「シルクロード等観光開発途上国地域の観光交流促進調査事業」の促進を図るために設置された。
昨年度は、事前調査の位置づけで中国国家族游局、日本大使館、JICA中国事務所において本事業の趣旨、目的を説明して今後の協力を依頼するとともに、シルクロードの東の出発点である陳西省と甘粛省の省都である西安と蘭州を訪れ、各省の旅游局を中心とした関係者と意見交換をし、今後の本事業の協力を依頼、要請した。各関係者にはこの事業の趣旨に賛同していただき、全面的な協力についても積極的な姿勢が示された。
今年度の調査では、中国国家族游局の計らいもあって、訪れた敦煌、嘉峪関、蘭州、西安では大変な歓迎を受け、中国側の熱の入れようが伝わってきた。
このような背景のもと、シルクロード沿いの各国の観光開発・観光振興を通しての経済発展と国際相互理解の増進を目的とした当委員会は、シルクロードの東の出発点である地域がよりシルクロードを観光資源として積極的な展開を図るとともに、その地域もしくは中国がリーダーシップを取って、シルクロード観光の他国への支援、援助を期待しているものである。
今回調査団の調査後の印象として、河西回廊地域の受け入れ体制は、まだ改善の余地は残されているが数年前に比べてかなりの整備がされてきている。また、地元の観光関連事業の業者もそれなりの自信を持って活動にあたっている。
今年(1996年)、6月にWTOの主催で中国の西安において「シルクロードフォーラム・西安」が開催され、最終日のWTOシルクロードフォーラムの声明において「中国が他の諸国の観光開発に喜んで協力する意志表示をしたことに対して感謝の意を表明する。」と述べられた。当委員会の趣旨と合致するものである。
今後、当委員会は、WTO等との連携を取りながら、陳西省・甘粛省のシルクロードに留まらず新彊ウイグル自治区、青海省、寧夏回族自治区を含めた5省区の連携を取った観光開発の現状と評価、提言のための調査、更に近年観光開発に力を入れているウズベキスタン共和国、カザフスタン共和国、キルギス共和国等の中央アジア諸国、およびまたはトルコ、シリア等の中近東諸国との共同した観光開発の必要性、問題点の解決策等を検討し、各国に役立つ実りのある委員会にすべきであると考える。
この委員会の検討結果や各地の観光魅力および振興策等についてはシンポジウム、報告書等を通して広くシルクロード関係国および日本国内に伝えていく役割があると考える。
なお、今後のスケジュール案は以下の通りである。

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